エチオピア「輝く夢フリースクール」支援活動

エチオピアの教育格差改善に、一緒に手を差し伸べてくれませんか?


私たちは、貧困家庭の子ども達がストリートチルドレンになるのを予防するために
輝く夢フリースクール(DTS)の活動を開始しました。

Project members


Director

湯本沙友里

Manager / Teacher

デレジェ・ギルマ

Mentors

柳沢美登里

神田英輔

陣内俊
「声なき者の友」の輪


コロナの影響によって浮き上がったエチオピア・アカコ村の貧困に仕える

エチオピアのアカコ村で、新型コロナウィルス感染症の影響で経済的に困窮している子どもたちを支援するプロジェクトが2021年2月に始まりました。


プロジェクトの概要

 皆様もご存じのように、新型コロナウィルスの影響は甚大でした。経済的にも政治的にも不安定だったアフリカ大陸は多くの犠牲者を出しました。エチオピアもまた政治・経済的困難ななか感染症と闘いましたが、とりわけ教育の分野での影響は大きいものでした。

 

2019年の政府のデータによると、エチオピアには約 2000 万人の生徒がいますが、パンデミックで学校70%が閉鎖されました。2020年11月中旬に再開されるまで、8ヶ月にわたって学校は閉鎖され、自宅隔離を強いられた生徒たちは精神的にも肉体的にも困難を味わいました。それらの困難のなかには少女達のレイプや強制的な結婚も含まれ、首相は国会演説で女子学生の苦境について言及しました。政府は学校の再開を決定しましたが、感染対策のためにクラスの人数を減らさざるを得ず、結果として学校は生徒を制限しなければならなくなりました。

 

 パンデミック以前のクラスが50~60人だったのが、今は25人に減らされたため、生徒たちは週のうち3日しか登校できず、残りの4日間は家にいなくてはなりません。


注目すべきことに、女子学生は自由時間を勉強する代わりに雑用に費やさなければなりませんでした。多くの子供たちが学校に行くことに興味を失いました。 この問題は、首都アディスアベバからわずか10km離れた地方の学校で発生しました。

私たちは、この地域の子供たちや若者たちを助けたいと思いました。2時間の追加の学校時間を作ることは、彼らの教育開発に大きな利益をもたらすでしょう。 私たちは、彼らが学校に戻るように説得する際に、創造的かつ想像力豊かになりたいと考えていました。

 

エチオピア人の多くの人々は英語の読み書きができるようになりたいと強く願っています。エチオピアでは、小学校高学年から英語教育が始まりますので、放課後の英語クラスには大きなニーズがあります。

 

 こういった必要に応えるために、私たちのプロジェクトは7~12年生の生徒の英語学習を支援することにしました。英語の読み書き、ヒアリングとスピーキングを、講義、宿題、発表、映像教材を取り混ぜて教えていきます。教材には海外の教科書や辞書を用いています。


アカコ村の子ども達の学校事情

 人口約1万人のオロミヤ州アカコ村には、オロミヤ語とアムハラ語という2つの別の言語で話す人々が住んでいます。元々オロミヤ語の人々の地域なのですが、首都のアディスアベバの地価が高騰しているためアムハラ語だけを話す人たちも、土地の安いこの村へ移り住み始めました。標高3,000mに位置するアカコ村と首都の標高差は約800mあり、インフラ整備が行き届いておらず不安定な気候の住みにくい土地です。首都から近いのですが行き来には時間が掛かります。

村内にはオロミヤ語で授業をする公立学校が1校しかなく、アムハラ語しか話せない子どもは授業に参加することができません。そのような子どもだちが学校に行くためには村内の私立校へ学費を納めて通うか、バスで片道1時間以上かけてアディス市内の公立校に通うしかありません。この地域の貧しい人々にはいずれの支払いも難しく、学業を続けたい子は13歳になると放課後や夏休みに毎日仕事をして家に帰るのが一般的です。

ビジョン


私たちのビジョンは地域の学習意欲のある若者が学校に戻ることです。また、生徒たちが国際的な舞台で活躍できるように、地域の英語力を高めることを目指します。

ミッション


1

若者たちのために衛生的で安全な環境を提供する。

2

創造的かつ実用的に英語を教える。

3

教育の大切さを地域社会に啓発する。


夏休み学級の取組み

2022年7~8月


エチオピアでは6月から8月までが学期間の休校になります。その間、生徒たちは勉強をしたり映画を観たり、ゲームをしたり両親の仕事を手伝ったり、お金を稼ぐために仕事をしたりしますが、この期間に危険な誘惑も待ち受けています。

 私たちはこのような生徒たちのためにBIFU BIRA幼稚園/小学校の校舎を借りて、輝く夢学校の夏期学校のプロジェクトを開始し生徒たちの状況に合わせて英語と数学を教えることにしました。

■ 学校の授業よりも実践的に学ぶことができるため、生徒たちは学校の勉強の足りない部分を補うことができます。

■ 次の学期が始まるまでの2ヶ月間、生徒たちは学びを継続することができます。

■ 生徒たちは勉強を続けることで賭け事などの危険な誘惑を避けられます。

■ 社会による搾取から生徒達を守ることができます。

■ 両親は休み期間中も子ども達が勉強していることで安心します。


対象となるグループ


2年生から8年生(中学2年生)がこのプロジェクトの対象者です。8歳から13歳までの20名の生徒たちがこのサマースクールの直接的な受益者になります。

目標


次に掲げる5つの目標を掲げました

  1. 学業と知力の発達。
  2. 危険な誘惑を避けること
  3. 安全な学習環境の提供
  4. 生徒同士の健全な人間関係の構築
  5. 共働きの両親や貧困家庭を助ける

乗り越えるべき困難


この地域の両親の多くは教育の重要性を理解しておらず、子どもを学校にやらず家の手伝いをさせたほうが良いと考えています。子ども達もまた勉強よりもお金を稼ぎたいと望んでいます。次の学期の教材購入のために夏休み期間中に働かざるを得ない子ども達もいます。また、エチオピアではこの期間は雨期に当たり天候が不安定なことや、予算の都合上、20名のクラスに対して配置できる教師は1人しかいないことも困難な要素です。

2カ月間のサマースクールの報告


過去2か月間、アカコ村の子ども達にサマースクールを開催しました。 幼稚園生から13歳までの子ども達を対象とし、当初20名を予定していましたが、結果的に常時23名の生徒たちが授業に参加することになりました。

以下の3つの教科について授業を行いました。

1. 英語

サマースクールでは単に授業を受けるだけでなく実践的に学べるように工夫したため、生徒たちの多くは英語の授業を楽しんでくれました。ヒアリング、スピーキング、読み書きについて学び、新しい単語や慣用句の習得にも重点を置きました。


2.数学

 数学のクラスではシンプルで興味がもてるような教材を用いて四則演算などのスキルに集中しました。実践的で日常生活にも応用できるような計算練習の結果、生徒たちの計算力は向上し、生活に役立つと同時に後期の授業の良い備えにもなりました。


3. アート

生徒たちは水彩画と油絵の両方を楽しみました。最初はシンプルな線や図形のスケッチから始まり、徐々に複雑なモチーフに進んでいきました。生徒たちの画力は向上し、何人かの生徒たちは卓越した芸術的な才能を開花させていました。


とても有意義な2ヶ月間のプログラムを通じて、生徒たちは多くの恩恵を受け、保護者の多くから感謝の言葉をいただきました。生徒たちが二学期の前に休憩し、使用した建物のメンテナンス(塗装、清掃)のためプロジェクトは202292日に終了しました。

温かいご支援に感謝します!

報告者 デレジェ・ギルマ
DTS プロジェクト責任者/教師

エチオピア、オロミア出身

プロジェクトの目的


子ども達がストリートチルドレンになるのを予防すること

証し


デレジェ・ギルマ
DTS プロジェクト 責任者/教師
エチオピア、オロミア出身

 私がこのプロジェクトに情熱を燃やしているのは、幼少期から大学卒業までの教育を無償で受けることができたからです。5歳のときに両親を亡くし、田舎を出て都市部で叔父と暮らすようになりましたが、この家族は機能不全だったため、路上に出て生活するようになりました。そこでストリートチルドレンを救うための非営利団体「WSG」に出会いました。この団体は必要なものを提供し、学校に通えるようにしてくれました。週末やウィークデーに教会に通うようにもなりました。私の人生を大きく変えたのは教育と教会だと思っています。

 

ストリートチルドレンを助けるこの団体で私は働き、多くを学びました。でも、多くの援助団体の存在にもかかわらず路上生活の少年少女はいなくなりませんし、むしろ状況は悪化しているようにも感じられます。私はより戦略的な、少年少女が路上に行くのを予防するような働きが必要なのではないかと考えるようになりました。


次の2つの方法に私たちは集中します。

教育


エチオピアにおいて、教育は貧困から脱け出す重要な手段であるにも関わらず、農村に生活する人々は教育の重要性を理解していません。彼らは教育を単に時間つぶしのように思っていて、人生を向上させ国を変えるような可能性を持つものと理解していません。その結果、子ども達は学校に行くことを奨励されず、両親は子ども達が高校に行く費用を出し惜しみます。

 

また、公立学校に通う生徒たちは、授業後に時間を過ごす場所がないという問題もあります。その結果、多くの生徒たち賭博やドラッグの売買などといった危険な行為に手を染めてしまいます。それらの行為がエスカレートした結果、路上生活にまで転落する子ども達もいます。

 

これらの問題に対処するため、私たちは放課後の学習支援と夏休みのサマースクールという活動を開始しました。これらのプロジェクトによって、生徒たちは教育を補う機会を得、自由な時間を生産的かつ安全に過ごすことができ、ひいては教育の向上と未来の進路の向上を図ります。同時に、地域社会に対する教育の重要性を啓発するための手段にもなります。


教会


私たちは地域においてキリスト教的な価値観を示すことにも貢献しています。この地域ではプロテスタントのキリスト教はあまり知られておらず、教会の活動が許されるようになったのはたった4、5年ほど前のことです。感謝すべき事に、この地域にも初めての教会が建設され、人々が集って礼拝できることになりました。困難はたくさんありましたが、私もこの教会の設立メンバーのひとりとして関わる特権に与りました。まだ建設は途中ですが、私たちの教会は包括的な宣教を目指しています。

デレジェの生い立ち

教会は私の価値観を育て耕してくれた場所ですし、今でもそうです。キリスト教的な倫理観を教える場所として教会より優れた場所はないと確信し、私は教会で仕えていくことを決めました。教会は私を育て、人生を変えてくれた場所なのです。

 

教会と教育がなければ私の人生は今とはまったく違っていたでしょう。教会と教育こそ、子ども達が路上生活に陥らないために不可欠な二つのものだと私は確信します。ただそのときに必要な物質的なものをストリートチルドレンに援助しても、むしろ状況が悪化するのを見てきましたから、私たちの方策は長期的視野に立つことにしました。すぐに結果が表れるわけではないですし、10年経っても目に見えるようになるかどうか分かりません。しかし、持続可能なかたちで人々の人生を変えるというのは長期的な働きですし、私たちはその目標に向けてこれからも働きを続けていく所存です。

寄付のご案内


寄付をもってこの働きに参加していただけます。以下の方法をご利用ください。

支援をもってご協力くださる方は以下のいずれかの方法でご送金ください。支援金は活動に関わる経費に充てられます。

活動の報告はこのウェブサイトまたはニュースレターにて随時お知らせいたします。

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■ 口座番号:00830-9-137685

■ 名義:湯本沙友里

 

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